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「その白さえ嘘だとしても」を読んで厨二病が再発した

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

男はヒーローに憧れる

毎週ブログを書こうと思っていたが、すっかり時間が空いてしまったので、最近読んだ本の感想を書き留めておこう。

前回の記事で紹介した「いなくなれ、群青」の続編であり「階段島シリーズ」の2作目に当たる「その白さえ嘘だとしても」を読んだ。相変わらずタイトルが中二病ごころをくすぐるもので、実にここちよい。

かんたんなあらすじを書いておくと、舞台は前作と同じく階段島。クリスマスを目前にしたこの島で、インターネット通販で買った品物が届かなくなるという事件が起きる。主人公の七草やヒロインの真辺由宇は犯人を探しているうちに、階段島の七不思議と呼ばれる事件に遭遇する。

とまあ、本筋はこんな感じなのだが、俺は主人公やヒロインよりも、脇役である佐々岡という少年に一番共感するものがあった。佐々岡はこの厨二病的タイトルの作品の中でも、典型的な厨二病患者で、常にイヤホンをつけてゲームソングを聞いているという、まあ、若い頃の自分を思い出すような設定だ。

彼は物語の大半をバイオリンの弦を探すことに費やすことになるのだが、それというのも、クリスマスにバイオリンの演奏会をするために、どうしてもバイオリンの弦が必要だという少女を助け、ヒーローになるためというこれまた厨二病的動機なのだ。しかし、そこは外部と遮断された階段島。バイオリンの弦が見当たらず、彼はかなり苦労することになるのだが、その諦めない精神に俺は心打たれた。

男は誰もがヒーローに憧れるものだ。彼はそんな当たり前な感情を呼び起こしてくれ、それと同時に俺の厨二病的黒歴史も思い出させてくれた。佐々岡はこの物語において、男の読者なら誰しも共感できるだろう。それだけでもこの本をよむ価値はある。